存在感を増すニューメディア
YouTubeがこの世に産声を上げてから5年……1日の再生件数は今や20億件を超えるという。そしてご存知の通り、その勢いは、音楽業界、ハリウッド、テレビ業界をも巻き込んでいる。
その中で注目したいのが、動画を発信している新しいクリエーターたちの存在。メディアのメインストリームでは聞いたこともないようなクリエーターブランドが、視聴者のテレビのゴールデンタイム離れを引き起こしていることもあるというから驚きだ。
この現象は、1970年代中盤から後半にかけて起きたShowtimeやHBOに代表されるケーブルテレビブランドの成功を思い出させる。
YouTubeのクリエーターたちは、ゆっくりと、しかし確実に動画界で成功を重ね、今やオンライン上の動画界で不動の地位を確立、その影響はオンライン上に留まらず、オフラインにまで及んでいる。
Shane Dawsonの再生回数が最も多い動画 FRED IS DEAD(フレッドは死んだ)
YouTubeセレブ
もともとは俳優でコメディアン、しかし今ではYouTubeセレブとして有名になったShane Dawson。彼の最新動画は1ヶ月で3500万回以上も再生されており、この数字はFOXテレビの人気オーディション番組「アメリカン・アイドル」のファイナルを上回っている。
また、ビジネス総合情報誌Fast Companyでは、YouTubeユーザーPhil DeFrancoのYouTubeチャンネルが「CNNの看板トーク番組やFOXニュースの看板ニュース番組を負かす」存在として紹介された。
これだけの人々が見ているというのであれば、宣伝・広告業界が放ってはおかない。先述のFast Companyの記事の中でDeFrancoは、2010年、YouTuberの中には、収入が7ケタに届く人物も出てくるのではないかと述べている。
才能のかたまり
新しいクリエーターたちは、画像の中で俳優やスターとして表に立つだけでなく、プロデューサー、編集者、カメラマンの役割も果たしている。さらには、自らの作品の宣伝活動、広告業界やスポンサーとの取り引き、技術協力者の開拓も行っている。
ニューメディアのきらびやかさから、彼らの業績を「新しい波に乗ったラッキーな現象」と捉えるのはどうやら間違いのようだ。彼らは非常に才能にあふれた、仕事熱心な若者たちと言えるだろう。
Dane Carlson's Business Opportunities Webblog 'YouTube And The New Creative Class'
http://www.business-opportunities.biz/2010/05/21/youtube-and-the-new-creative-class/