中間層・低所得層の減税恒久化と歳出の強制削減の2ヶ月間先送り
米議会下院は1日夜、昨年から協議が続けられていた「財政の崖」回避のための法案を賛成257・反対167の超党、賛成多数で可決した。上院は同日未明に賛成89・反対8で可決済みだった。オバマ米大統領は近く法案に署名する方針と伝えられている。
可決された法案には、大半の世帯が対象となる中間層および低所得層の減税恒久化、失業保険給付の延長、歳出の強制削減の2ヶ月間先送りなどが盛り込まれている。厳密には1月1日の午前零時に一度は執行していた減税を、遡及的に適用するとしている。
富裕層の大幅増税
一方で2%の給与税減税の失効は容認され、これによって一般世帯の77.1%にとって増税となり、勤労者1人あたり最大で年間2000ドルの負担増となると見られる。
また年収45万ドル超の富裕層世帯では、所得税、キャピタルゲイン、配当、固定資産への課税額が増税となり、さらに税額控除に上限が設けられる。超党派の税政策センターの試算によれば、年収50万6210ドルを上回る上位1%納税者の増税分は、平均して7万3633ドルあまりになるとのこと。
この法案の可決により、新年とともに失効する減税と歳出の強制削減が重なる「財政の崖」をめぐる1年にもわたる協議がひとまず決着、実質的な影響が出る前にギリギリで回避されたことになる。
ブルームバーグ
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MFZ23B6K50ZF01.html