バナナ輸出、全体の見通しは減
昨年12月初め、フィリピン南部ミンダナオ島に上陸した台風24号(スーパー・タイフーン・ボーファ、フィリピン名はペドロ)により、フィリピンの主要輸出産業の1つであるバナナの生産は大打撃を受け、1月7日付マニラ・タイムズほか各紙によると、フィリピン農業省は、バナナ輸出に影響が出る可能性を示唆した。
これまでの各報告から算出したバナナ産業の被害総額は222億3千万ペソ、プランテーション地帯における被災面積は50,096ヘクタールに達したことが公表された。農業省長官プロセソ・アルカラ氏は、復興には少なくとも8ヶ月かかるという見通しを述べた。
復興融資の開始へ
農業省は、バナナの2大生産地であるコンポステラ・バレー州および東ダバオ州の復興に必要な補助金の総額は約3,335万ペソと試算しており、これまでに669万ペソ相当を支給している。
さらにアルカラ農務長官の発表によると、ダバオ周辺のプランテーションを所有するスミフル(2011年に住商フルーツ株式会社から社名を変更)、ランド・バンク・オブ・ザ・フィリピンズ(ランドバンク)、バナナ生産者の三者が、復興を目的とした融資に関わる協定書に署名した。融資額は1ヘクタール43万ペソ、利子は10年間固定の6パーセント、元本と利子の返済猶予期間は2年間となっている。
主要輸出先への影響拡大を食い止めか
日本がフィリピンから輸入してきたキャベンディッシュ種バナナについて、農業省は、台風の被害をまぬがれた地域からの調達が可能となれば、「日本、韓国、ニュージーランド向け輸出への影響はそれほど大きくならないだろう」との見方を示している。アルカラ長官は、「キャベンディシュ種の米国向け輸出を延期したので、他の主要輸出先への出荷量を確保することは可能」としている。
アルジャジーラ・イングリッシュ
「ニューバタアン(コンポステラ・バレー州の中心都市)の状況」 1月4日8時2分
http://www.aljazeera.com/フィリピン農業省
http://www.da.gov.ph/