保有株売却で、AIGの公的管理終了へ
米財務省は10日、保有する米保険大手のアメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)の普通株式をすべて売却すると発表した。
今回売却されるのは米政府が保有しているAIGの普通株式2億3417万株すべて。関係筋によれば、売出価格は1株あたり32.50ドルに設定されたとロイターが伝えている。
米財務省は4年前の2008年秋、経営危機に陥ったAIGの株92%を、1800億ドル超の公的資金を投入して取得して救済、以来米政府が筆頭株主となった。
米政府が得る利益は1.9兆円
不動産関連投資で巨大な損失を被り経営危機に陥ったAIGの救済は、世間のウォール街に対する強い批判を集めた。当初は民間金融機関の救済に消極的だった米政府だが、世界経済への波及を防ぐために救済に踏み切った。
その後AIGは公的管理下で経営を再建、米政府は2011年から段階的に株式の売却を始めて投入額を回収、これまでに既に151億ドルの利益を得ている。
AIG株価は今年、年初来44%上昇し、10日の終値は33.36ドル。米政府は残りのおよそ16%分を売却することでさらに78億1000万ドル、あわせておよそ230億ドル(約1兆9000億円)の利益を得ることになる。
財務省はAIGの普通株を所得できるワラント(新株引き受け権)は今後も持ち続けると見られている。
ロイター
http://jp.reuters.com/article/AIG IR情報
http://www.aig.com/investors_3171_437776.html