経済大国のトップは中国
米国家情報会議(NIC)は、12月10日発表した
2030年の世界情勢に関する報告書のなかで、中国が米国を抜いて世界最大の経済大国になるとの見解を示した。
報告書では、2030年までに中国は米国をしのぐ最大の経済大国になると予測。米国が唯一の超大国である時代は終わり、米国が覇権国家だった時代は終息すると予測している。
しかしながら、米国の地位にとって変わる国が出現する公算は少なく、世界的なリーダーシップを取れるのは米国以外にはないとも強調した。
西洋と東洋のパワーバランス反転
今後の世界経済の動向は、途上国の発展に大きく影響されると指摘しており、欧州や日本などの先進国の経済は、ゆるやかな衰退が続く見通しだ。
「シェール革命」と呼ばれるガスやオイル採掘に関する技術革新が急速に進む米国については、今後20年以内にエネルギー自給を達成できる可能性があると予測。
アメリカが中東諸国へのエネルギー依存から脱出しつつあるなか、中東諸国の経済は、大幅な多様化が必要だと指摘している。不安定な政治情勢が懸念材料となっており、特にイランの核開発が大きな影を落としている。
2030年に向けて、新興国に先進国からの資本流入がますます大きくなりそうだ。世界中のNGOや企業、ビジネスアイデア、投資家などが絡み合った“多面的で不定形なネットワーク”が大きな影響力を持ち、西洋から東洋へとパワーバランスはシフトしつつ拡散していくという。
National Intelligence Council - Global Trends
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