フィリピンの格付け、投資適格級の1段階下に
米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは29日、フィリピンの外貨および自国通貨建て長期ソブリン債の格付を「Ba2」から1段階引き上げ「Ba1」とすることを発表した。
これによってフィリピンの格付けは投資適格級の1段階下となり、2004年のはじめ以来の高い水準に引き上げられた。格付け見通しは「ステープル(安定的)」。
格上げの理由としてムーディーズは、世界的な需要減の中でも歳入が伸びており、堅調な内需に支えられて中期的な経済成長見通しが上向いているためとしている。フィリピンは内需が強く、個人消費が国内総生産(GDP)の7割を占め、経済成長をけん引している。
投資適格クラスへの格上げも近い
この7月までに、米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)やフィッチ・レーティングもフィリピン国債を投資適格級から1段階下に引き上げている。
フィリピンはGDPに対する歳入の比率が15%前後とかなり低い水準にとどまっている上に、ガバナンスの弱さが発展を阻害しているものの、投資家の間では格付けが投資適格クラスに格上げされる日が近いと見られている。
格上げの発表を受けてフィリピンペソが上昇した。トムソン・ロイターのデータによると、ペソは対ドルで年初以来6.5%上昇している。
ロイター
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