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【海外:コラム】無法者の一味が罪人たちを支配するメキシコ

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【海外:コラム】無法者の一味が罪人たちを支配するメキシコ

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「子どもは多ければ良いという訳ではない」――旧約聖書「シラ書」にある一節を紹介しよう。これは16章の話題だ。「役に立たないような子を、大勢欲しがってはいけない。数が多ければ良いという訳ではない。神を畏れない子供を喜んではならないのだ。不信仰な子を持つよりは、子を持たないで死ぬ方がマシなのだ」

「何かを畏れる」という行為は、「人間同士が秩序を共有する」に当たって――すなわち、「地球が平和を保つ」に当たって、必ず必要となる行為である。それは何も神や宗教に限らず、万物の様々な要素の中で、「何かをしてはいけない」という意識を持つ必要があるのだ。『カラマーゾフの兄弟』の次男イワンのような、「人が神になる」という態度を示せば、それは犯罪に繋がる危険性が大きい。

さて、メキシコでは先週、131人もの集団脱獄事件が起こったばかりだ。この事件が契機となり、国内メディア等は刑務所の恐るべき実情を明らかにしているようである。

メキシコ国内の犯罪組織は、刑務所に大きな影響力を持つ。もはや、ここは「無法地帯」とされ、刑務所内部は暴力や犯罪が渦巻いているという。メキシコ全国人権委員会(CNDH)の発表などでは、「刑務所内はまるで犯罪学校のような様相を呈している」といった内容を示している。

メキシコ国内では過去2年間だけで14件の脱獄が発生、521人が逃走。同じ2年間、刑務所内で起きた殺人事件は352件。受刑者は食料や携帯電話はもとより、売春婦まで連れ込むことも、あまりに容易なのだという。

冒頭の「シラ書」のエピソードは、こう続く。「一人の聡明な者は街を繁栄させ、無法者の一味は街を蹂躙する。もし街が繁栄するのなら、無法者たちは消え失せるだろう」。生命の尊厳を、考えねばならない、メキシコ政府である。

【記事:G・JOEⅡ】

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