日本の冷蔵庫事情が変わる!?
起業家にとっても一般企業にとっても喉から手が出るほど欲しいのは特許。これさえあれば順風満帆というわけにはいかないが、少なくとも事業の発展や安定化には必要な要素でしょう。
還暦を過ぎてから起業した大阪のベンチャー会社の社長、アキュサイトの井川重信社長が71歳で特許を出願しました。食品を加熱せずに無害で殺菌できる技術で、年内の実用化を目指しています。
この技術は「高電界」と呼ばれる環境を常温で安全に作りだし、牛乳なら風味を損なわずに賞味期限を数カ月に延すことができるそうです。この技術が実用化すれば、賞味期限の短い生鮮食品などを輸出できる機会が拡大することが期待できます。
長年の研究の果てに思いついた技術
井川さんは還暦を過ぎた61歳で起業しました。既存の殺菌・滅菌技術に対し、人体への影響と使用するプラズマの高額さを懸念していました。
そこで高電界に最近を含む水を通すと、細胞内外の電位差により細胞膜が破壊されて死滅する、と想定して試行錯誤を重ねました。その結果、コンデンサーを改良した電極で2000ボルト程度の高電界を作ると、大腸菌は死滅することを突き止めました。
装置は手のひらサイズの基盤に電極を張り付けたシンプルな構造で、数ボルトの電圧と100ワット以下の電力で動かせるためにコストはかなり安いそうです。実用化した場合、既存の熱殺菌装置の半分程度の値段に抑えられる見込みだそうです。
起業というのは若い起業家が行動力とパワーで乗り切る面がありますが、燻銀の技術が光る起業家が日本の輸出産業を牽引していくかもしれません。技術が実用化されれば買いすぎた牛乳を泣く泣く捨てる羽目にならずに済みそうです。
株式会社 アキュサイト