華僑ならぬ「和僑」の活躍
海外に出た中国籍の人々を華僑と呼ぶ。日本を飛び出て中国へ渡り、現地で起業して成功を納めている人々は自分たちのことを華僑になぞらえて「和僑」と呼ぶ。
日本の海外長期滞在者数はニューヨークを抑えて上海がトップとなっている。その数4万8千人以上で10年までの7倍以上に上る。
現地で日本で働いていた時より多額の給与を受け取り、満足のいく生活をしている人もいれば、同僚と共同生活をしながら日本の給与の半分でも夢を追い続けている人もいる。状況は様々だが、皆一様に厳しい要求の中に日本では得られない達成感を掴み、チャイナドリームの魅力に取りつかれている。
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壮大な夢の実現も可能か
チャイナドリームを追いかける日本人の為の求人サイトは大盛況である。HPには日本からのアクセスが急増中で、なかには「中国語不問」というものもある。10社応募すれば4、5社の内定も夢ではない、など日本では到底考えられない状況だ。
中国で成功している日本人起業家たちは大きな仕事をしている人もいる。四川大地震の際、小学校を寄贈したことで知られる建築家の迫慶一郎さんは7年前に起業し、現在中国全土でプロジェクトを展開している。急な設計変更や短期日での要求など「中国式」に苦労しながらも、質を落とさず日本の3倍のスピードで顧客の心を捕えてきた。総工事費20億の工事も受注し、夢は中国の都市を作ることだ。
日本では得られない達成感や不可能な夢を実現させている「和僑」たち。企業の駐在でなく、自分で行った人たちは根性がある。彼らはけして日本を見捨てたわけではなく、力をつけた起業者が日本に帰ってビッグな経営者となることが日本を強くする力になる。
NHK クローズアップ現代