大日本印刷株式会社(DNP)は、2022年11月~2023年1月に、丸紅株式会社、PwCアドバイザリー合同会社と共同で、ベトナム社会主義共和国・ホーチミン市にて、次世代型都市モデルとなるスマートシティの開発に向け、インターネット上の仮想空間「メタバース」を活用したサービス展開の可能性について、詳細な調査を実施した。
ベトナムにおけるスマートシティ居住者向けサービス展開を検討
新興国を中心に、世界のインフラ需要が増大する中、質の高い日本のインフラの技術・ノウハウを活かした輸出や投資の拡大が重要であり、経済産業省は、令和4年度「質の高いインフラの海外展開に向けた事業実施可能性調査事業(我が国によるインフラの海外展開促進調査)」を実施している。
今回、丸紅の案件が本調査事業の一つに採択され、ベトナムの現地パートナー候補企業とのスマートシティ共同開発・運営事業への出資参画の検討、およびスマートソリューションの実装やメタバースの活用に向けた導入可能性の調査の一環として、3社共同で調査を実施した。
DNPは、リアルとバーチャルを融合する「XR(Extended Reality)」の技術を活用し、新しい体験価値と経済圏を創出するXRコミュニケーション事業を2021年から推進しており、メタバースの構築・運用で培ったノウハウなどを活かして、今回の調査を実施した。
【調査事業の主な概要と結果】
3社は、2022年12月10日(土)・11日(日)に、ホーチミン都市圏の居住者を対象として、メタバース上の多様なサービスの受容性や現地のニーズの把握を目的として、体験会とインタビューを実施した。
スマートシティの居住者となり得る生活者が、自身の分身となるアバターを使ってメタバースに参加し、教育や交流等、複数のテーマのサービスを体験した。体験後の行動様式の変化や意見を分析することで、各種サービスの提供の可能性を調査した。
本調査の結果として、メタバース空間を活用した各種サービスの提供がスマートシティの付加価値に繋がる可能性があることと、実装に向けて課題があることを確認できた。
DNPは、今回の調査結果を踏まえ、スマートシティの開発案件における、メタバースを活用したサービスの本格展開に向けた検討を進めていく。