為替と株:米「財政の壁」回避後の上げ、FOMC議事録公表明けの下げ
米国で2日、「財政の崖」回避法が成立し、増税や政府支出の引き締めは避けられることとなり、景気悪化リスクが軽減されたことを受け、韓国ウォンをはじめとするアジア通貨がほぼ全面的に対ドルで上昇した。
3日、日本円を除くアジア主要10通貨で構成するブルームバーグ・JPモルガン・アジア・ドル指数は、16か月ぶりの高値に達した。各国・地域の株式相場は、米議会が1日に財政関連法案を可決した後の4日間で1.8パーセントの上昇を見せた。各国通貨は4日に下げたが、これは12月11-12日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録が3日に公表され、連邦準備制度理事会(FRB)内部で強まる資産買入への懸念が明らかになったことを受けた動きとみられる。
韓国ウォンが牽引(けんいん)するアジア通貨高
ブルームバーグ集計による週間ベースでは、韓国ウォンは0.6パーセント上昇し、ソウル外国為替市場の終値が1ドル=1,063.68ウォンとなった。マレーシア・リンギットは0.3パーセント高の1ドル=3.0525リンギット、タイ・バーツは0.3パーセント高の1ドル=30.52バーツ、フィリピン・ペソは0.4パーセント高の1ドル=40.905ペソとなった。なお、中国では1月1~3日は祝日により金融市場が休業となっていたが、4日の中国元は12月28日値より0.03パーセント高の1ドル=6.2303元となった。ブルームバーグ・JPモルガン・アジア・ドル指数の動きはわずかとなった。
そのほかには、台湾ドルが、1ドル=29.125でわずかな値動きとなり、インド・ルピーは0.5パーセント下げ、1ドル=55.0750ルピー、インドネシア・ルピアは0.2パーセント安の1ドル=9,660ルピア、ベトナム・ドンは1ドル=20,843ドンを保った。
なお、インド、台湾、韓国の株式市場への海外資金流入は11億ドルとなり、4日、モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル(MSCI)のアジア太平洋株指数(日本を除く)は、17か月ぶりの高水準へと上昇した。
ブルームバーグL.P.
http://www.bloomberg.com/連邦準備制度理事会(FRB)
http://www.federalreserve.gov/default.htm