米国債格付けは据え置くも、評価は不安定
米格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスは1月2日、米議会が「
財政の崖」回避法案で与野党間が合意したことを受け、米国債の格付け見通しについて「ネガティブ(弱含み)」で据え置くと発表した。
米国債の格付けは、現在最上級の「Aaa(トリプルA)」だが、ムーディーズは今の経済政策のままでは、これを維持するのは困難と評価。更なる財政赤字削減策が実施されない場合、格付けにマイナス影響を及ぼす可能性があると警告している。
赤字削減策は不十分
昨年末で連邦
債務が上限に達したため、財務省は債務不履行を回避するための措置を開始した。特別措置で約2か月の時間稼ぎができる。
ムーディーズは、債務上限は引き上げられるとの見解を示しており、
債務不履行に至る危険性は極めて低いとしている。
ただし、国内総生産(GDP)に占める連邦債務の割合を引き下げるには不十分な内容であるため、米国債の格付け見通しを引き上げるためには、財政赤字を一段と縮小させるための政策が必要であると指摘した。
赤字削減策が不十分な場合は、昨年9月に示唆したとおりAA1に格下げする可能性もあると指摘しており、今後の状況の変化に注意を払う必要がありそうだ。
Moody's Anticipates Further US Fiscal Action Following "Fiscal Cliff" Deal
http://www.moodys.com/research/Moody'sホームページ
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