欧州債務危機、中国経済減速の影響を受けて
ブラジル中銀行は31日、週刊エコノミスト調査の結果によると、2012年の成長率見通しは0.98%で、前週の1.0%から下方修正された。
数年前までは新興市場の中でもBRICsの一角として急成長が期待されていた同国経済の急減速が浮き彫りとなった。
欧米経済が落ち込んでも、内需に支えられてブラジル経済は伸び続けると見られていた。しかし欧州債務危機の影響で、重要な役割を果たしてきた南欧系銀行の貸し出し余力が低下、貸し出しを縮小した影響を受け、内需が停滞した。
また欧州連合(EU)は米国と並んで同国にとって最大の輸出先であり、欧州危機の影響を強く受けている。さらに近年では中国への石炭や鉄鉱石などの輸出が増加していたが、その中国でも景気が低迷し、輸出が低迷、同国の景気が悪化している。
2013年は回復基調を強めるか
それでもブラジルでは、2014年にはサッカーのワールドカップ、2016年にはリオ・でジャネイロ五輪など世界規模のイベントの開催が決まっており、これらに向けた大規模なインフラ整備が経済成長を加速すると見られている。
しかし、こうしたイベントが成長につながるのは、これから中進国になるかどうかという段階の国であり、既に中進国であるブラジルではバブルを生んで終わる可能性が指摘されている。
新興国情報EMeyeが1月1日付で掲載している坂本浩明氏によるコラム「13年のブラジル経済は「片肺飛行」、外需の弱さ内需で補う」は、
ブラジルは輸出と消費という2つのエンジンで成長してきたが、13年は消費に頼ったいわば「片肺飛行」になりそうだ。(新興国情報EMeye)
と予測している。
新興国情報EMeye
http://www.emeye.jp/disp%2FBRA%2F2013%2F0101%2