ASEAN主要5か国、好調
アジア開発銀行(ADB)は12月7日、2012年の東南アジア5か国の実質国内総生産(GDP)成長率の予想を、5.9%に上方修正したと発表した。
東南アジア諸国連合(ASEAN)の主要5か国では、12年の成長率予想を1前回(0月)よりも0.3ポイント引き上げた。13年の予想も、0.1ポイント上方修正した5.8%。欧州債務危機などのあおりを受けて輸出は減っているものの、内需の強さがそれを上回っている。
ASEANで成長率のトップを走るのは、
フィリピンだ。7~9月期成長率は7.1%と、中国に次ぐ高成長を記録した。GDPの7割を占める個人消費が特に好調。
ベトナムでは中央銀行の波状的な利下げ政策が功を奏し、7~9月の成長率は5.35%。景気回復を後押ししている。
成長率の減速が気になるインド
一方、景気減速が懸念されているのが
インドだ。2012年の成長率予想は5.4%。前回から0.2ポイント引き下げた。工業生産や個人消費が落ち込み、海外からの投資も減少傾向にある。インド政府の財政赤字やインフレ上昇が、金融政策による効果を鈍化させていると見られる。
中国の成長率予想は2012年を7.7%、13年を8.1%で据え置いた。11月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は、景気の拡大・悪化の判断指数となる50を、2か月連続で上回った。インフラ投資も増えており、ADBは中国景気が底入れしたと判断している。
アジア開発銀行(ADB)
http://www.adb.org/news/southeast-asias