HP68億超の赤字
米大手IT企業ヒューレット・パッカード(HP)は11月20日、子会社の不正会計が発覚し、8~10月期に88億ドル(約7170億円)の減損費用を計上、最終損益は68億5400万ドルの赤字となった。
不正が発覚したのは、2011年に約100億ドルで買収した英オートノミー社。売上高の水増しなどを行っていたという。HPがオートノミーに関連して減損費用を計上した88億ドルのうち、50億ドル以上が不正会計関連だ。
HPは前年同期は2億3900万ドルの黒字だったが、現在は経営不振に陥っている。5~7月期の90億ドル近い赤字に続き、2四半期連続で巨額赤字を計上しており、経営再建の先行きは暗い。
株価は年初から50%ダウン
8~10月期の売上高は299億5900万ドル。5四半期連続で減収を記録した。主力となるパソコン事業は景気減速や、タブレットの台頭で激化する市場の流れに乗れず、14%の減収を見た。その他の事業分野でも、売上高が前年同期比5~9%減少している。
実質1株利益は1.16ドルと市場予想の1.14ドルを上回ったものの、売上高が予想より低かったことに加え、不正会計の発覚で20日の株価は一時、前日比14%も下落した。
景気後退とIT業界の構造変化を背景に、HPの株価は年初から50%超も値下りしている。HPの不振はプリンターをOEM(相手先ブランドによる生産)供給するキヤノンの値動きにも波及しそうだ。
HP - United States
http://welcome.hp.com/country/us/en/cs/home.html日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article/