輸出は減速しているものの、内需が堅調
タイ国家経済社会開発庁(NESDB)のポラメティ副長官は29日にロイターのインタビューに答えて、2012年の同国の経済成長率を5.5-6.0%とした8月時点の見通しを据え置き、来年の成長率は4-5%になるとの見方を示した。
世界的な景気減速の影響を受けて、タイでは輸出が低迷している。ポラメティ副長官は、輸出が振るわなくても堅調な内需に支えられて4-5%で成長する可能性があるとしているが、一方で昨年の洪水災害からの復興需要が落ち着き始め、民間投資が鈍ってきたとの指摘もある。
輸入の減少幅が大きく、貿易収支は11億5000万ドルの黒字
24日にタイ商業省が発表した9月の輸出は、前年同期比で0.20%の増加で、市場予想の2.0%減を上回った。しかし輸入が同7.70%減で、市場予想の3.0%を上回る落ち込みとなったため、貿易収支は11億5000万ドルの黒字となった。2012年の今年の輸出の伸び率は、8月時点の7.3%から5-6%へと引き下げられた。
一方先日26日には、タイ中央銀行が2013年の国内総生産(GDP)の伸び率を、従来の5%から4.6%へと下方修正した。今年の輸出伸び率見通しを従来の7.0%から4.4%に下方修正したが、2012年の伸び率見通しは5.7%で据え置いた。年末にかけて景気は減速すると予想している。
ロイター
http://jp.reuters.com/article/jpeconomy/